頭痛が40年間続いた50代女性のケースです。
初診年月日 平成24年2月16日
1)患者名
Y・I ( 53歳・女性 )(英会話講師)
2)疾患名
慢性頭痛(40年間、ほぼ毎日)(脳外科・内科・眼科・歯医者など十数件)
3)主訴
冷え性・頭痛・首痛・肩こり(自覚なし)
自律神経失調症・多汗症・低体温・更年期障害
*腹部に固まりがあるのを自覚し、癌だと思い八王子の某クリニックを受診した。レントゲン、MRI、CT
→異常なし。
「では、このお腹の固まりは一体何なんですか?」と聞いたが医師が返答に困ってしまった為、仕方なく帰宅し悩んでいた。そんな時にパッチを知った。
4)現病歴、治療歴
漢方・針灸・接骨院(マッサージ・電気)・長年の鎮痛薬・ホルモン剤
*眼科にて、まぶたの重さが頭痛の原因と診断され、まぶたを1cm切除(多少楽になった程度で、殆ど改善しなかった)
5)既往症
(注1) 橋本病(慢性甲状腺炎)・(注2) 周期性四肢運動障害(睡眠中に両腕、両脚がケイレンしてしまう)てんかんの薬服用
(注1・注2、ともに原因不明で予防法もないそうです。)
6)家族歴
父・膵臓癌(享年70才)
弟・心臓弁膜症(享年6才)
母・現在認知症
7)体質(陰・実)
(冷え性・アレルギー)
8)瘀血 腹部(臍部)
硬結・低体温・冷え性
8)食事の傾向、嗜好品
糖・脂質大好き
9)体型
身長160cm体重50kg
10)血圧
(127/70 ㎜Hg)
11)臨床所見
経過と結果(施術頻度と回数、施術時間)
(施術頻度)週1~2回で全身施術 60分
(施術部位)主に目・首肩・側頭部・腹部を中心でやっていき、自己施術も教えてやってもらう。
初回2/16
初回後、頭痛薬が1錠で効くようになり、左首のボールペン位のしこり消失した。
肩こりを自覚するようになった。
*この方は、明け方にひどい頭痛に襲われるため、枕元に「頭痛薬と牛乳」が必ず置いてある。(牛乳は胃薬の代役)
3月(計7回)
頭痛はまだあるが、以前より軽減してる。明け方の頭痛がほぼ無くなった。
猫背が治り体の疲れを感じるようになった。忙しく動いてる割には、頭痛が出なくなってる。
4月(計6回)
頭痛のない日が多く、薬服用しない日も増えた。目を押しても痛くなくなった。
5月(計6回)
頭痛が増えた。頸椎・脊椎の骨上がつらい。梅雨の為、低気圧が原因と推測しました。
6月(計6回)
最近、TV、PC、が見えにくくなり、視力が低下したと思い眼科受診をした。
したら、なんと視力が上がってる。(左2、右3段階)すごく喜んだが、買い置きのコンタクト、メガネ2種類を買い替えなければと、嘆いてました。
この前来た時も、またコンタクトが合わないと言ってたので、またかもですね(~。~)(眼科受診が怖いと言ってました)
(ん~良くなれば全てOKって訳ではないんだね~。やはり、全ての事に陰陽(表と裏)があるな~。)
ある事ですごく怒り、頭痛になる、薬飲んだが全く効果なし→(怒りで頭痛になった時は、薬は効かないのかな?と思った)
その後、引っ越し作業で大量に汗かいたが、頭痛出なかった。(この方は汗をかくと、必ずひどい頭痛になる為、何十年も極力汗をかかないようにしていた。)
7月(計6回)
頭痛はまだあるが、頭痛になりそうでならない事が多くなった。
8月(計6回)
頭痛はまだ出るが、頻度は少ない。*頭痛の原因が変わってきた。(眉毛の上のしこりが原因になって来てる)
9月(計4回)
*最近の首肩こりの原因が判明した。
8月頃から健康の為に自転車を乗り始め、前かごに犬を乗せて走っていた、為に上半身(特に腕)にかなり力を入れていたらしいので、そこを指摘した。即中止したら首肩コリは消失。
10月(計6回)
強いストレス受けて、また激しい頭痛がでた、薬を服用したが、効きが悪い。
原因は、母親が認知症で行方不明になり帰ってきたが、財布やバックを紛失したため数日間大変だった。
さらに、激しい胃痛で病院を受診した
→萎縮性胃炎・ギックリ腰、をおこす。(ストレスって怖いわ~)
*鼻詰りが頭痛の原因に変わってきた)
11月(計4回)
またも強いストレス受け、便が全く出なくなり病院を受診→過敏性大腸炎(便秘型)と診断。
原因不明の「腰と脚」が、ものすごく腫れた。2~3日間で収まった。
しかし、11月に入ってから頭痛がなく、現在に至るまで殆ど出てない。このまま改善してくれると良いかな?
施術回数は合計で53回、期間は9か月倉庫の荷物整理(数時間)・運動しても快調。
その後も、月1~2回のペースで来院してる。が以前ほどの頭痛は出てないそうだ。
今回の感想
この方に、症例として発表させて下さい。とお願いしたところ、40年間苦しんでた、感想を自分で書きたい!と言ってくださり、別で【お客さんの感想】という題名で感想文が出てます。ぜひ読んでください。
今回のケースは、父の仕事の関係で、生後8か月~海外生活で、色々な国に勤務したらしく、環境の変化(言葉・文化・風習・気候風土etc)や、各国での要人とのパティーやら、幼少期の頃から、立場上、気を張ることが多かったのでは?と推察します。
3か国語を話し、すごく優秀な方で、いつもビシーッとしていて、背筋もピーンと、それでいて、周りにすごく気を使えてる方なので、疲れないかな?と思います。たぶんHSP(人一倍敏感な人)だと思う。
人間どこかで、気を抜く(“だら~ん”とする)事が大事で、ONとOFFの切り替えが上手く出来ないと、気を張りっぱなしになり、頭痛・肩こり・めまい・などなど、色んな症状が出てきます。(交感神経優位型)
しかし、幼少期からの事なので、「気を抜く」というのは、本当に難しい!なかなか出来ない。
なので、パッチに来た方には、しつこい位、(はい!だら~ん)と言います。そして笑わせます。
また、僕が聞き上手と言われてますが、この方の話が本当面白くて、普通では聞けないような内容を面白おかしく話すので、施術中はずっとお喋り&質問タイムでした。自然に、「心のデトックス」にもなっていたのだろう、と思います。
長いこと海外に暮らしていたにも関わらず、瘀血体質(たびたび出てくる「瘀血」という概念は、別で詳しく説明しますね)お腹に、なかなか立派な“しこり”がありました。
なぜだろう?食事の問題か?それとも、日本で生活を始めてからなのか?と色々悩みましたが、答えは出ませんでした。(まいっか!そのうち、いつか分かる時が来るでしょう)
以上40年続いた頭痛が改善した例でした。